座位の特徴について考える

座って考える

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hamakoです。

前回は背臥位の特徴について考えてみました。

今回は座位です。

座っている人形

座位は治療場面でもよく用いると思いますし、離床できるようになったら

「車いす乗車時間を増やしていきましょう」など日常生活でも積極的に座ることを進めていきます。

他にもデスクワークの方等は仕事中ほぼ座っているのではないかと思います。

そんな日常生活の時間の多くを占める座位について考えてみます。

長座位や胡座位、割座など座位にも色々ありますが、

一番多く用いられる端座位(車いすも含め)についてです。

座位の特徴

  • 支持基底面の広さ、重心の高さは背臥位と立位の中間
  • 常に股関節・膝関節は屈曲位
  • 体幹に支持基底面がなくなり、空間でコントロールすることが求められる=抗重力方向への方向づけ(定位=オリエンテーション)の能力
  • 立位のように安静時でも常に揺れているということは少ない
  • 上肢は前後左右に動かしやすくなる
  • 机上での課題が行える
  • 視覚情報が前方、側方に大きく広がる(背臥位と比較し)
  • 色々な動作の中継地点的な役割がある(背臥位からいきなり立位はない)

などが挙げられます。

これらの項目を踏まえた上で

  • 治療姿勢として座位を選んだ場合促しやすいものと促しにくいもの
  • 座位を考える上で間違えやすいポイント

について考えてみます。(考えるが多い・・・文章構成能力の低さ(-_-;))

ただ、何と比較してという部分に関しては今回背臥位立位を対象にしています。

座位で促しやすいもの+メリット

  • 背臥位と比較し支持基底面が狭くなり、重心が高くなるので体幹の抗重力活動を促しやすい。抗重力方向の方向づけ(定位=オリエンテーション)。
  • 立位と比較し安定しているため恐怖心は少なく治療を行える。恐怖心が強くなると胸椎と股関節屈曲し、視線は下を向きやすくなる。そのため、体幹の抗重力伸展活動や上肢のリーチといった課題が難しくなる。
  • 体幹や上肢を動かす自由度が増えるので、コントロール(調整する)練習を行いやすい。例えば骨盤を前傾したり、ゆっくり後傾したりする練習を骨盤より上位の胸郭や頭頚部のアライメントが崩れないように行うなど。
  • 机上の課題が行えるので、上肢の作業活動に繋がりやすい覚醒が良くなりやすい。
  • 背臥位と比較し足関節に対する治療が起立・歩行に近い要素で組み込み行える。例えば足底が接地した状態でのアライメントの確認・修正、体幹の状況(例えば骨盤前傾・胸椎伸展し重心が高くなった状態)に応じて下肢がどのようなアライメントになるか、その後荷重方向はどのようになるか(Knee inしてないか、足関節内反してないか)など。
  • 立位よりも荷重量が少ないので足関節の分離運動の治療が行いやすい。
  • 背臥位よりも覚醒が維持しやすい(抗重力活動が生じ網様体脊髄路が働くことで覚醒を司る網様体賦活系が刺激される:これは私の見解・・・)。でも実際例えば背筋が伸びている時には眠くならず、背もたれにもたれたり、姿勢が悪い時には眠くなると思うので、理屈は抜きにして姿勢と覚醒は影響があると私は考えています。

座位で促しにくいもの+デメリット

  • 下肢の伸展活動。立位程多く荷重していないので筋活動が生じにくい。
  • 足関節戦略でのバランス反応が生じにくい(これが必要な理由はまた後日)
  • 前庭系の感覚入力に基づくバランス反応が促しにくい(頭が揺れない、荷重がかかりにくいなどの理由から)
  • 長時間となると股関節・膝関節の屈曲制限(同一姿勢をとることによる適応性短縮:後述)が生じやすい。例えば離床したから車いすに1日何時間も乗せられていると股関節屈筋、膝関節屈筋が常に短縮位となり可動域制限の要因となる。

などでしょうか。

 

座位を考える上で間違えやすいポイント 

①難易度設定

座位は支持基底面と重心の位置関係から考えると立位より難しいと安易に考えられがちですが、決してそうとは言えません。その理由は以下の通りです。

  • 元々人間は立位をとるために進化してきた。人間のアライメントは立位をとるための構造となっています(ここも立位編で後日記載)。
  • 股関節屈曲位=骨盤後傾=体幹全体的に屈曲位=動きにくい座位となる

座位は上記したように作業活動の中心となる姿勢であるとともに、あらゆる動作の中継点となります。背臥位から座位を経由せずに立位になることはあり得ないし、立位から背臥位もジャンプしてベッドに飛び込むことをしなければあり得ません。

ベッドへジャンプ

このように、座位はハブ空港のようにほぼ必ず動作の切り換え地点として経由されます。

中継地点

写真しつこいですね。すいません。初心者なものでとりあえず写真を貼ればオシャレになるかと・・・(笑)

話を戻して

あらゆる姿勢の中継地点になるということは、動けないといけないということです。ということは位置エネルギーを運動エネルギーに変換するためCOM(Center Of Mass)は高い方が良いということになります。ということは、股関節屈曲位で骨盤後傾しやすい座位はCOMを高くするために有効な治療姿勢でしょうか?

もちろん、だからが良いというわけではないですが、そのように座位は動いていかなければいけない姿勢なのに意外と動くことが難しい姿勢でもあることは理解しておいて損はないかと思います。

立位は立位なりの難しさがあるので、

その患者さんに合わせて治療したい要素を促すためにどちらがbetterか

を考えて選択すれば良いのではないかと思います。

②離床とそれによる弊害因子

1)車いす乗車

離床したらとりあえず、いっぱい車いすに座りますよね?

それ自体は凄く必要なことだと思うのですが、上記したように座りすぎると適応性短縮という問題が出てきます。

適応性短縮は同一姿勢を長期に渡ってとり続けることで短縮位におかれている部分に生じます。

足関節底屈・内反位の拘縮を例にすると、それを予防するために一般的には短下肢装具やポジショニングで足関節を背屈位で固定などを行います。

  • 自分で動けない方
  • 夜寝れないからといってずっと日中車いすに座らされている方
  • 寝ると腰が痛い等で日中起きている方

などはそれにあてはまる可能性が高いのではないかと思います。

なかなか看護師さんも1人1人に個別対応ができないと思いますので、難しいこともあると思いますが、「最近ハムストリングス硬くなってきたな」と感じたら、1つの要因として疑ってみて車いす座位時間について連携すると良いかもしれません。

②車いす駆動

最近患者さんを評価するアウトカムが日常生活自立度やFIMなど「できる」「できない」かの量の評価ばかりであり、「どんな風に」とか「いかに楽に」といったことは二の次になっている現状があります。

もちろん、生活に反映されるためにはできるかできないかなのですが、入院最初からその考え方なのはいかがなものかと思っています。

すいません、愚痴です(T_T)/~~~

そこで1つ例をあげたいのが脳卒中患者さんの車いす駆動です。

車いす駆動も「自立すると生活範囲が広がる」「看護師さんに気を遣わなくても良い」「活動量が上がって体力がつく」「自発的に行動するのでモチベーションが上がる」など様々なメリットがあります。

でもバックレストにもたれるどころか、押しつけながら車いす駆動している方凄く多くないですか?

そのような方ってプラットホームに座っても後ろに崩れる習慣がついているので、常に後方重心だし、靴の着脱で足を上げるたびに体幹は屈曲、側屈、回旋し上肢・下肢の連合反応が強まります。

日常生活で行っている動作って診療時間と比較にならない程習慣化していきます。もちろん行う回数、時間が桁違いなので当たり前ですが。

脳は使用頻度に依存して学習を進めていく

ので、バックレストにもたれてバランスをとる、非麻痺側を過剰に使って姿勢を崩しながら駆動するということを学習していきます。

健常人と違って患者さんって慣れてきたら良くなるって方ばかりではないと思います。

非麻痺側の使用頻度が多くなると、障害脳(麻痺側に命令を送る側)に*半球間抑制が生じ非障害脳(非麻痺側に命令を送る側)はどんどん過活動となっていきます。すると麻痺側を使いたくても、脳の学習は使用頻度に依存しているため、非麻痺側が過剰に反応しやすくなっており、麻痺側はどんどん弱くなってしまうということが生じます。

☟下記リンクをご参照ください

http://www.riken.jp/pr/press/2012/20120224_2/

腹筋・背筋でも同じことが起こりえるかと思います。体幹の筋群は基本両側性支配手足みたいに交差して支配しているわけではなく、1つの脳から両側に命令が降りる)なので、キレイに右・左と分かれるわけではありませんが、一側に傾き続けたり、バックレストに押し付け続けるということは、偏った動作パターンで筋肉を使い続けるということになります。

 座位はどちらにも動けることが重要でした

ということは、バックレストに背中を押し付けて駆動し続けて駆動して行動範囲が広がって「良かった!良かった!」

とはならないですよね。

今後の目標とする課題を達成するために、現在行っている方法が今後の課題達成のための阻害因子と成り得ることをイメージできることが重要です。

そこで、本人の性格や現在の状況も踏まえた上で車いす駆動を進めるならOK!

現在だけが成立しなければいけないのではなく、未来を変えるために我々は色んな知識を学んでいると思います。

患者さんの希望に沿うこと」は重要ですが、「患者まかせにすること」とは似たようで全く別物です。

リハビリテーションの専門家として患者さんに関われるように頑張っていきましょう。

私も口だけにならないように頑張ります・・・。

 

まとめ

  • 座位のメリット、デメリットを知った上で治療を考える
  • 座位は立位より簡単、背臥位より難しいは間違い
  • 車いす乗車、駆動は諸刃の剣

諸刃の剣とは言いすぎですね、すいません(^-^;

でも良い面、悪い面踏まえた上で選択できることが重要だと思います。

このブログで座位に対する視点が少しでも広がったら嬉しいです。

 

次は立位について考えてみますね。

長文ご覧いただきありがとうございました。

 

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