立位の特徴について考える

立位

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hamakoです。

大好評の姿勢シリーズ第3段です。

大好評と思いたい・・・(´;ω;`)ウッ…

そんな冗談はさておき、今回は立位についてです。

進化の過程と神経生理学やバイオメカニクスの観点から考えてみました。

 

四足動物から直立二足歩行への進化

立位を語る上で進化の過程の話は切っても切り離せない。

ご存知の通り、

アウストラロピテクス、北京原人、ジャワ原人、ネアンデルタール人etc・・・

説明すると長くなるので細かい話は抜きにして図を載せます(笑)

人類の進化の過程

こんな感じですよね。

我々が進化した理由大きく分けて3つ挙げます。

  1. 道具を使用(上肢・手の発達)
  2. 2足直立歩行の獲得
  3. 言葉の獲得

この3つが他の四足動物(猿・チンパンジー・ゴリラなど)と違う点です。

道具を使うためには前足を自由にする(地面から離す)必要がありました。

そのためには二足で立つということが求められます。

二足で立つためには骨盤の上に胸郭、頭部をのせる必要があり、そのことにより口腔と咽頭腔が直角になり、咽頭が下に移動言葉をが獲得できるようになったと言われています。

言語の発達についての細かい説明は下記をご参照ください。

http://fnorio.com/0080evolution_theory1/acquisition_of_language1/acquisition_of_language1.htm

ということは簡単に分けると

立つ(PT)道具を使う(OT)言語(ST)とうまい具合に分かれます。

なので分業制が大事です(`・∀・´)エッヘン!!

という意味ではなく、その逆です。

進化の過程から考えるとうまく立てないと道具も使えないし、

言葉も話にくい逆に道具を使うためには、うまく話すためにはしっかり立てる必要があるということが言えると思います。

なので、

PTでも上肢や道具のこと、喉や口腔の機能のこと

OT・STでも下肢や立位、バランスのこと

等を知っておく必要があるし、考慮してアプローチしなければなりません。

二足直立を選んだ代償

上肢や言語機能を発達させたことは我々の進化の重要な部分です。

しかし、それと引き換えに大きな代償を背負うこととなります。

立位は支持基底面が狭く重心が高い姿勢です。

物で例えるなら杖を手のひらで立たせるようなものでしょうか?

どういうことが起こるでしょうか?

 

そうです。

絶対揺れるんです。

重心動揺計の検査をしたことがある方はご存知のことかと思いますが、

健常人でも重心動揺は常に生じています。

(心臓が動いていたり、呼吸も生きている限りは続いているので立位だけでなく、座位や背臥位でも細かく言うと揺れています)

これが起きない人はいないです。鍛錬に鍛錬を積み重ねた私以外・・・

嘘です。調子乗りましたm(__)m

つまり、このままでは絶対転びます。

で、そこででてくるのが・・・・・・・・・

学生さんが得意の立ち直り反応!!

と言いたいところですが、揺れてから反応してを繰り返しては、一瞬たりとも気を抜けませんし、船酔いしまくっていくらごみ袋があっても足りません!

お食事中の方すいませんm(__)m

もちろん立ち直り反応が重要ではないということではないです

また後述します。

そこで揺れないために人間が獲得した機能が・・・

予期的姿勢調整(Anticipately Postural Ajustment:APA)

です。

フィードフォワード制御の一種というイメージで良いと思います。

聞いたことありますか?

参考書「モーターコントロール」等には記載されていますが、学校教育の中では習わないところが多いですかね?

自分の病院の若手に話しても

みんなポカーン( ゚д゚)

としているので習っていないんでしょうね。

バランスを考える上ですごく大事な言葉なので知らなかった人はまた調べてみてください。

人はこの予期的姿勢調整(APA)の機能を備え、必ず揺れる立位の重心動揺を必要最小限に抑えているのです。

どういうことかと言えば、例えば肩屈曲を例に挙げると

予期的姿勢調整

こんな感じです。

右のようになると良いですが、患者さんは左の2つのように臀部が引けるか前へ引っ張られるといったことが生じます。

そうならないための準備を手足を動かす前に行う必要があります。

毎回手足を動かす度に体幹や臀部が釣られて動いてたらグラグラで立っていられないと思います。

それが予期的姿勢調整(APA)なのですが、

予期的姿勢調整の機能を発動させるためには何が必要か

予期的姿勢調整を行う際には

  • 筋活動での制御
  • 足圧中心(Center Of Pressure:COP)を移動させての制御

が中心に研究分野では発表されています。

ということは、動きに先立ってどこかの筋活動を高めたり、外乱が生じる方向に対応してCOPを動かす必要があるということです。

しかし、筋活動が生じる、COPが偏移するということは、

それもそれで揺れるということです。

では予期的姿勢調整を発動した後にも何かの機能が必要そうですね。

そこで立ち直り反応も含めたバランス機構の話がでてきます。

これ揺れてから(予期的姿勢調整だけでなく、予期せぬ外乱も含める)バランスを修正するバランス機構ですので

 

反応的バランス制御(Reactive Balance)

といいます。

こちらはフィードバック制御の一種というイメージです。

 

 

反応的バランス制御には大きく分けて3種類あります。

  1. 足関節戦略
  2. 股関節戦略
  3. ステッピング戦略

たまにHAT戦略(Head Arm Trunk:HAT)という記載があるものもあります。

予期的姿勢調整

<上に戻るのが面倒だと思うのでもう一度載せます>

足関節戦略は予期的姿勢調整(APA)の右の図のような形

股関節戦略は左の図のような腰が前後に動くような形です。

ステッピング戦略はそのままで支持基底面内に重心を留めておけない場合にステップするといった戦略です。

HATは頭や体幹、上肢を動かしバランスをとる戦略です。

今回は足関節戦略と股関節戦略に絞って説明します。

特徴としては

足関節戦略は
  • COMが下がらない
  • COMを積極的に動かそうとすることができる
  • 比較的安定した条件で行われる戦略
股関節戦略は
  • 腰が引けたり前に出るのでCOMが下がる
  • COMが支持基底面からこれ以上外れないよう留めておく戦略
  • バランスを崩しそうになった時、急な外乱の時に多く用いられます

どちらも必要な機能です。

しかし、予期的姿勢調整(APA)がうまくいっている(右の図)時は足関節戦略でバランスをとれている時でした。

つまり、立位で予期的姿勢調整(APA)をうまく発動させるには、

予期的姿勢調整の発動によって生じた外乱を足関節戦略でバランスがとれるという補償が重要となります。相互関係ですね。

患者さんはお尻が引けて最初から股関節戦略となっていることが多いですよね?

ということは、

単純に足関節戦略の方が獲得が重要ということも言えると思いますが。

 

COMが高く維持する

これとても重要だと思います。

座位の部分でも話しましたが、立位もじっと止まっているというよりは

  • 手を伸ばす
  • 足を出す
  • つま先立ちになり上に手を伸ばす
  • 振り返る
  • 座る

など立位から次の場面に動き出すことが多くあります。

それにはCOMが高い方が

  • 運動エネルギーに変換でき動き出しに効率が良い
  • 座る際にも抗重力活動を維持できることでドスンと座らない

などが言えますのでCOMは高い方が良いと思います。

だったら、常につま先立ちでバンザイすればもっと良いのかとは思わないで下さい(^^;)

支持基底面の広さ重心の高さのバランスです。

もちろん支持基底面は広ければ安定します。

しかし、広すぎると動き出せないし

逆に狭すぎると不安定になりすぎます。

なのでバランスです(笑)

 

あと、COMを高く維持するともう1つメリットがあります。

バランスがとりやすくなるんです。

え-------!!!(;゚Д゚)

動き出しやすくなるのは分かるけど、バランスがとりやすくなるなんて・・・

支持基底面が狭くで重心が高ければ不安定なはずじゃ・・・

これは2足直立姿勢に限って言えることかもしれませんが、

前述したように立位は必ず揺れます。それは宿命です。

ではその揺れのスピードを遅くした方が良いということになりますよね?

揺れを遅くするにはどうすれば良いか。

  • 筋肉で頑張る・・・
  • 頭で揺れを早く察知して反応して・・・

そんなことより簡単なことがあるのです。

それがCOMを高くするです。

慣性モーメントってきいたことありますか?なんとなくのイメージはみなさんあるんじゃないかと思います。僕も詳しくは物理学の専門ではないので、分かりませんが、こんな感じの説明が書いていました。

一般に、剛体の慣性モーメントは、剛体の質量に比例し、質量が軸から遠くに分布しているほど大きくなる。

また、回転軸が重心を通るとき慣性モーメントは最小値 IG をとり、軸が重心から距離 h だけ離れている場合、その軸の周りの慣性モーメント Ih は

{\displaystyle I_{h}=I_{\mathrm {G} }+Mh^{2}}

となる。

                                         引用元:wikipedia

こんな数字とか記号とか分からないし・・・とは思わないでください(^^;)

僕もそこは全く分かりません。笑

大事なのは

質量が軸から遠くぶ分布している程大きくなる

という点です。

慣性モーメントが大きくなるとどうなるかと言えば

回転しにくくなるということだそうです。

http://www.buturigaku.net/main01/RigidBody/RigidBody13.html

ということは

軸(立位でいう地面に接している足底)からCOMが離れていた方がゆっくり倒れるということです。

ゆっくり倒れるということは修正する時間があるということです。

なのでCOMは高い方が良いということです。

 

まとめ

  • 立位には人間の進化の過程が関係している
  • 立位は揺れて当たり前
  • 揺れを最小限にするのが予期的姿勢調整と反応的バランス制御
  • 予期的姿勢調整と反応的バランス制御の相互関係が重要
  • COMは高い方がバランスを修正しやすい

以上です。

進化と神経生理学からの視点で立位を考えてみました。

1つの情報に出くわした際、それだけを覚えるのではなく、色々なものと組み合わせて考えていくと有益な情報になる可能性があるという過程が伝われば嬉しいです。

以上になります。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。

 

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