パーキンソン病の症状とガイドラインに基づいたリハビリを徹底解説!

パーキンソン病 の症状とガイドラインに基づいたリハビリを徹底解説!

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理学療法士のhamako()です。

神経難病の代表的なものにパーキンソン病があります。ips細胞など最新医療により完治が期待されている疾患ですが、まだ完全な原因と治療法は見つかっていません。そのパーキンソン病について症状とガイドラインを参考にしたリハビリについて解説していきたいと思います。

Contents

パーキンソン病とは?

イギリスのジェームス・パーキンソンが1817年に「振戦麻痺」として報告したものを、フランスの神経病学者ジャン・マルティン・シャルコーが約70年後に彼の業績を評価して命名したものとされている。

手足が振戦、筋緊張の異常により運動の調整がうまくできなくなるなどの症状が現れ、身体の動きが段々と不自由になっていく病気。

パーキンソン病の原因と要因

パーキンソン病の原因

原因

中脳黒質神経細胞の変性脱落による脳内(線条体)でのドーパミンの低下であることが分かっている。

黒質のドーパミン神経は45万個存在すると考えられているが、パーキンソン病の運動症状の発言時期にはその40~60%まで減少し、線条体のドーパミン量は健常者と比較し10~20%程度にまで減少していることも分かっています。

加齢でも年齢に比例し減少することが知られているが、パーキンソン病ではおおむね運動症状発言の5~7年程度前より、急激な神経細胞の減少が始まると考えられている。

要因

パーキンソン病の大半は孤発性で、少数(10%程度)ながら家族性を示す例が報告されている。

 

家族性遺伝子としてαーシヌクレインが注目されており、孤発性パーキンソン病の発症においても関連している可能性が示唆されています。何らかの要因でαーシヌクレインの蓄積量が正常より高くなるとパーキンソン病になりやすくなると言われています。

その他神経毒、酸化ストレス、ミトコンドリア機能障害などが仮説として挙げらています。

慶応義塾大学と順天堂大学による共同研究で、酸化ストレス、ミトコンドリア機能障害については、パーキンソン病患者由来のiPS細胞から神経細胞によって確認されました。               

                                         引用:エヌオピ

環境要因に関してもいくつかのデータがあるようですが、どれも決め手にかけ確実に証明されているものはいまだないのが現状です。

パーキンソン病の疫学

発症年齢

  • 20~80歳代
  • 好発年齢は50~60歳代
  • 40歳以下の発症は若年性パーキンソニズムと呼ばれる

有病率

人口10万人に対し約100~150人と神経疾患の中でも有病率は高い

パーキンソン病と寿命

パーキンソン病患者さんの寿命は日本人の平均寿命とは変わらないということはよく聞かれます。確かに発症から10~20年安定した経過を辿ることが多いようですが

  • 姿勢反射障害
  • 嚥下障害
  • 認知機能障害

などは薬物治療が効かないケースが多く、薬物治療が効きにくい症状を呈した際には予後が悪くなるということも言われています。

また詳しくは後述しますが、Hoehn&Yahrの重症度分類でⅣ度以上となると日常生活に介助が必要となりますし、Ⅲ度の方でもon-off症状が強ければ介助が必要なこともあります。

このようにパーキンソン病は健康寿命には影響を及ぼすことが考えられます。

パーキンソン病の診断

パーキンソン病の診断

これがパーキンソン病診断の決め手という検査は、まだ存在しておらず複数の検査を総合して診断することが多いようです。

一般的なものとして

  • 四大徴候の有無
  • 家族歴の聴取
  • 服薬状況の確認
  • 血液検査
  • CT・MRIなどの脳画像

などがあります。それに加えて

  • MIBG心筋シンチグラフィー
  • ドパミントランスポーター(DAT)
  • 脳血流SPECT

などの検査で障害の有無を診ます。異常があればパーキンソン病と診断されます。

診断が難しい場合、L-dopaまたはドパミンアゴニストを服薬し効果が確認できると診断の参考になる。

しかし、病初期には類似疾患との鑑別が困難なことも多く、1~2年の経過観察の末診断名がついたという例も少なくないようです

パーキンソン病の重症度分類(Hoehn&Yahrの重症度分類)

パーキンソンの重症度分類を決めるにあたり一番有名なのがHoehn&Yharの重症度分類です。これは運動機能の重症度に応じてⅠ~Ⅴ度までの5段階に分けられます。

Ⅰ度:一側性の障害で身体の片側だけの振戦、筋強剛(固縮)を示す。軽症例

Ⅱ度:両側性の障害で姿勢の変化はあるが、姿勢反射障害はない。振戦、筋強剛(固縮)、寡動~無動とも両側にあるため日常生活や就業に多少の障害がある

Ⅲ度:明らかな歩行障害がみられる。方向転換時に転びやすく、姿勢反射障害はあるが歩行は可能。活動に制限はあるが、介助なしに生活可能で職種によっては就業も可能。

Ⅳ度:起立や歩行など、日常生活動作の低下が著しく労働能力は失われる。自力のみの生活は困難

Ⅴ度:立つことが不可能となり、介助による車いす移動または寝たきりとなる

パーキンソン病理学療法診療ガイドラインでは推奨グレードBとなっています。

パーキンソン病統一スケール(unified parkinson’s disease rating scale:UPDRS)

この評価も病状把握の評価方法として多く用いられています。

国際的にも最も頻繁に使用され、信頼性、妥当性も高いとされ、治療の効果判定に用いられることが多いです。

パーキンソン病理学療法診療ガイドラインでは推奨グレードAとなっています。

詳しくは☞こちらをご参照ください

 

パーキンソン病の類似疾患

パーキンソン病の類似疾患にはパーキンソン症候群と他の変性疾患があります。

パーキンソン症候群(パーキンソニズム)

  • 脳血管性パーキンソン症候群(多発のラクナ梗塞など)
  • 薬剤性パーキンソン症候群(抗精神薬など)
  • 中毒性(マンガン・一酸化炭素など)
  • 感染症(脳炎パーキンソニズムなど)
  • 代謝障害(ウィルソン病)
  • 正常圧水頭症

 

変性疾患

  • レビー小体型認知症(パーキンソン病のような症状+認知症)
  • 線条体黒質変性症(L-dopaの反応が悪くMRIに特徴的な所見)
  • 進行性核上性麻痺(転倒リスク高い+嚥下障害+眼球運動障害)
  • シャイドレイガー症候群(自律神経症状)
  • アルツハイマー病

*線条体黒質変性症、シャイドレイガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症をまとめて多系統萎縮症といいます

*進行性核上性麻痺とレビー小体型認知症はパーキンソン病よりも認知機能の低下が著しく、転倒リスクも高い

進行性核上性麻痺とレビー小体型認知症転倒の方は見守りで歩けるのにPull test 3(立位はとれるが姿勢反射が出ない)という方も珍しくありません。歩けるなと思っていたらふらついたらそのまま倒れそうになるで、これらの診断名の方をリハする時は油断しないようにしましょう!

パーキンソン病の脳の障害部位

中脳黒質緻密部や腹側被蓋領域のドパミンニューロン変性が病態の基盤とされています。

その他にも

  • 迷走神経背側運動核
  • 嗅球
  • 青斑核
  • 縫線核
  • マイネルト基底核
  • 扁桃体
  • 大脳皮質

など多数に及ぶため、症状も多彩となり1人1人に個別性に合わせた薬物治療やリハビリが必要となってきます。

パーキンソン病の症状・四大徴候

振戦

パーキンソン病の振戦は1秒回に4~6回の速さでふるえるのが特徴で静止時振戦と呼ばれます。指の動きが薬を丸めるような動きに見えることから丸薬丸め振戦(ピルローリング)とも言われます。パーキンソン病の初発症状として最も自覚が強い症状です。

固縮

手足や体幹の筋肉が硬くなるのも特徴です。筋強剛とも呼ばれます。痙性が一方向に抵抗感があるのに対し、固縮では両方向(曲げる・伸ばす)に抵抗感があるのが特徴です。

無動

動作がゆっくり小さくなるのもパーキンソン病の特徴です。寡動・動作緩慢などともいいます。表情の動きが少なくなり無表情に見え、これを仮面様顔貌といいます。字を書く際にも無動の影響により段々と字が小さくなり、これを小字症といいます。

姿勢反射障害

バランスが悪くなり、ふらついた際にバランスを修正することが難しくなります。これを姿勢反射障害といいます。

この症状をチェックする代表的な検査方法としてPull testがあります。後ろから身体引っ張られ何歩で止まれるかという検査ですが、パーキンソン病が進行すると止まるまでに多く歩数がかかったり、止まれずに転んでしまうということが起こります。

姿勢反射障害は転倒に直結し、骨折の原因ともなります。

パーキンソン病の特徴的な姿勢

パーキンソン病の方は特徴的な姿勢を呈します。

  • 顎が突き出たような姿勢
  • 頸部伸展
  • 脊柱屈曲
  • 股関節屈曲
  • 肘関節屈曲
  • 足指屈曲

極端に頸部が屈曲した首下がり姿勢や腰が曲がった腰曲り姿勢を呈する方もいらっしゃいます。

パーキンソン病 腰曲り姿勢について

2017.11.10

すくみ足

パーキンソン病の歩行では足が前にだしづらくなり、重症になるとその場で足が地面に張り付いてなかなか離れないといったことが生じます。これをすくみ足といいます。狭い場所や方向転換時などに特に出現しやすく転倒の原因ともなります。

姿勢反射障害と同様薬が効きにくい症状でもあります。

すくみ足のタイプとして

  • スタート・ヒジテーション(start hesitation):歩行開始時のすくみ
  • リーチング・ヒジテーション(reaching hesitation):目標直前で起こるすくみ
  • ターニング・ヒジテーション(turning hesitation):方向転換時にみられるすくみ
  • ナロースペース・ヒジテーション(narrow space hesitation):狭所でのすくみ
  • スポンテニアス・サドゥン・トランジェント・フリージング(spontaneous sudden transient freezing):突然起こるすくみ

などがあります。

突進現象

その名の通り、歩いていて止まれなくなる現象です。前進歩行だけでなく後進歩行でも生じます。上述したPull testで止まれなくなるのも突進現象の症状が関与しています。

その他にも

  • 小刻み歩行
  • 腕振りの減少

などの特徴もパーキンソン病の歩行で見られます。

逆説歩行

パーキンソン病の歩行は平地歩行が困難でも階段昇降や床に跨ぐものがあった場合は歩行が容易になることがあります。

また、視覚刺激(線があれば跨げる)・聴覚刺激(1・2・1・2などの声掛け)など外的刺激があれば、その場では改善されるといった特徴があります。

ジスキネジア

薬が効きすぎた副作用として現れます。振戦とは違い、口をモグモグ・ペチャクチャ動かしたり、手足をクネクネ動かしたり、体幹を前後に揺らすなどの不随意運動が現れます。

ジストニア

持続的な筋収縮に関わる不随意運動で持続性の異常姿勢を呈し、痛みをともないます。

パーキンソン病 ジストニアについて

2017.11.11

幻覚・妄想

幻覚には幻視・幻聴・幻触があり、一般的に多いのは幻視です。「蛇がいる」「知らない人がいる」などいう発言をされます。夕方以降に顕著となります。

妄想は物盗られ妄想・被害妄想・恋愛妄想などの症状が出てきます。患者さん同士で嫉妬したり、療法士に恋愛感情を抱いたりといったこともあります。

原因としてはパーキンソン病の進行によるアセチルコリン系の障害が主要因とされ、治療薬の増減による悪化もあります。

認知機能障害

パーキンソン病は物忘れ、判断力や理解の障害など認知機能の低下を生じやすくなっています。アルツハイマー病患者と比べても物忘れは軽くても理解や判断力の低下が顕著となります。

REM睡眠行動障害

夢の内容と同じ行動をしてしまいます。寝言・寝ぼけ・暴力行為などがあります。覚醒させると正常に戻ります。

自律神経系の障害

  • 便秘
  • 起立性低血圧
  • 排尿障害
  • 脂漏
  • 発汗障害
  • 性機能障害
  • 流涎

薬物治療は行いますが、副作用として生じている場合は主症状とのバランスを見ながら調整を行います。血圧などはパーキンソン病は高血圧にも低血圧にもなりやすいという特徴があるため、その特徴を理解した上で調整することが重要となります。

嗅覚障害

最も初期に現れる症状の1つと言われています。嗅覚障害がある患者さんでは認知機能障害が進行しやすい傾向があるという報告もあります。

二次障害

  • 前傾姿勢が続くことによる腰痛や脊柱・胸郭の変形
  • ジストニアに対する頸部・腹部のこわばりによる異常姿勢など
  • 自律神経症状に加え脊柱・胸郭変形による腹筋群の筋出力低下⇒便秘の一員

脊柱の変形に伴う頸部や腰部の障害を訴える方は多い

腰曲がり姿勢の記事は☞こちら

 

パーキンソン病の薬物治療

パーキンソン病の薬物治療

パーキンソン病の薬物治療は

  1. 直接ドーパミンを補うドーパミン系薬剤
  2. 間接的にドーパミンに影響を及ぼす非ドーパミン系薬剤(

の2種類に分けることができます。

ドーパミン系薬剤

1)レボドパ製薬剤

ドーパミンは血液脳関門を通ることができず、直接薬としては使用できないのですが、ドーパミンの前駆物質であるレボドパは通過することができます。そのため、ドーパミンそのものではなくレボドパが治療に用いられます。

レボドパ製剤には

  • レボドパ単剤
  • ドパ脱炭酸酵素阻害薬が配合されたレボドパ配合薬

がありますが、最近ではレボドパ単剤が処方されることはほぼありません。

レボドパ製剤は配合されるドパ脱炭酸酵素阻害薬によって2つに分けられます

  • カルビドパ配合薬☞商品名:メネシット、ネオドパストン
  • ベンセラジド配合役☞商品名:マドパー、ネオドパゾール

効果に大きな違いはないと言われています。

しかし、レボドパは有効な薬剤ですが、副作用が強く長期間の服用は勧められていません。

2)ドパミンアゴニスト

レボドパは有効な薬剤ですが、上述した通り副作用が強く長期間の服用は勧められていません。早期から長期間レボドパで治療した場合ウェアリング・オフや運動合併症の出現しやすくなると言われているからです。

ドパミンアゴニストは運動合併症の出現頻度がレボドパよりも少ないことが知られており、長期的に薬物治療が必要なパーキンソン病には欠かせない薬剤です。

ドパミンアゴニストはドーパミンと化学的にもよく似た作用の物質で、脳内では同じように作用しますが、効果はレボドパには及ばす値段も高価です。

ドパミンアゴニストは化学的な特徴から

  • 麦角系☞商品名:パーロデル、ペルマックス、カバサール
  • 非麦角系☞商品名:ドミン、ミラペックス、レキップ、ニュープロ、アポカイン

の2つに分けられます。

アポカインはウェアリング・オフのレスキュー的措置として自己注射製剤として利用可能です。

非ドパミン系製剤

1)ドパミンエコノマイザー

ドーパミンの利用効率を上げる治療薬をドパミンエコノマイザーといいます。ドパミンエコノマイザーには血液中で働くものと脳内で働くものがあります。

血液中で働く薬剤には

  • ドパ脱炭酸酵素阻害薬
  • カテコラミン-O-メチル基転移酵素(COMT)阻害薬☞商品名:コムタン

が治療に用いられます。血液中でレボドパがドパミンに変化する過程を抑制し、結果として脳内へ移行するレボドパを増加させます。

脳内で働く薬剤には

  • B型モノアミン酸化酵素(MAO-B)阻害薬☞商品名:エフピー

が治療に用いられます。MAO-Bの働きを抑えてドーパミンの分解を阻害し、脳内にドーパミンを長くとどまらせる効果があります。

ドーパミン遊離促進薬

ドーパミン放出作用があり、軽度の運動障害治療薬として用いられていますが、高用量で用いると進行期に出現するジスキネジアが改善することが分かっています。

ドーパミン遊離促進薬☞商品名:シンメトレイル

抗コリン薬

抗コリン薬はアセチルコリンを抑制し、脳内でのバランスをとることによりパーキンソン病の症状を改善しようという薬剤です。

商品名:アーテン、トレミン、パーキン、アキネトン、トリモール、ペントナ

ノルアドレナリン前駆物質

パーキンソン病ではノルアドレナリンも減少しているという考えのと、ドーパミンと同じように補充することが症状の改善に結びつくと考えられています。

商品名:ドプス

ドパミン賦活薬

もともと抗てんかん薬として利用されていましたが、パーキンソン病にも有効であることが発見されました。現在は進行期で使用することが多いです。

商品名:トレリーフ

パーキンソン病治療ガイドライン2011ではドパミンアゴニストの早期使用が勧めれており、レボドパだけでなくドパミンアゴニストとの併用が勧められています。

 

しかし、最近では初期からドパミンアゴニストではなくL-dopaを服用している方が症状の進行が遅いという報告もある

パーキンソン病の薬物治療は日々変化しているため、最新の情報を常にアップデートしておく必要がありそうです 

パーキンソン病のオンオフとウェアリングオフ

薬物治療が数年経過すると、薬の効果が短くなったり、急に切れてしまったりといったことが生じます。これをオンオフ(on-off)現象、ウェアリングオフ(wearing-off)現象といいます。それぞれ説明します。

オン-オフ現象

パーキンソン病の症状が薬の効果でおさえられている状態のことをオン(on)現象、それに対して症状に対し薬の効果がない状態、切れている状態のことをオフ(off)現象といいます。

L-dopaとの血中濃度ととは関係なしにパーキンソン病症状が変化します。突然スイッチが切れたかのように動けなくなり、かと思うと急にスイッチが入って動けるといったことが生じます。

後述するウェアリングオフ(wearing-off)現象よりも頻度は少ないですが、L-dopa15年以上服用者では50%に認められます。

ウェアリング・オフ現象

オンオフ(on-off)現象ほど急に薬の効果が切れるわけではなく、徐々に調子が悪くなるのが特徴です。

L-dopaの薬効時間が短くなり、L-dopaの血中濃度の変動に伴い症状の日内変動が起こる現象です。症状の変動はおおよそ推測することが可能です。

L-dopa服用5年以上で20%、15年以上で60%出現すると言われています。

血中のL-dopaは速やかにドーパミンに変換されます。ドーパミン神経終末がある程度保たれている場合は放出されたドーパミンは脳内で長時間作用します。しかし、進行期ではドーパミンの再取り込みができなくなり、脳内のドーパミンは血中のドーパミン濃度を直接反映するようになります。こうやって効果時間が短くなり、次の内服時間までもたずオフ現象の時間が長くなっていきます。

ディレイドオン(delayed-on)現象

L-dopaの服用から効果が出現するまでの時間が遅れることをいいます。通常L-dopa服用から血中濃度がピークに達するまで1時間と言われていますが、それが少しずつ遅れていきます。

L-dopa長期服用者や高齢者に多いとされています。

 

パーキンソン病と外科的手術

現在はパーキンソン病の治療は薬物治療が中心ですが、それ以前は手術療法がパーキンソン病の治療の中心の時代がありました。現在では、長期にわたるパーキンソン病の治療の中で万人にあてはまるものではなく、オプション的な位置づけとなっています。

手術療法は大脳基底核が大きく関わっています。大脳基底核は複数の神経細胞核が集まっており、互いに影響しながら運動を調整する回路を形成しています。パーキンソン病ではドーパミンが減少することで大脳基底核の活動に狂いが生じているため、異常をきたしている部位を破壊あるいは刺激して大脳基底核回路全体を正常に近づけようとするのが種々療法の大枠の考え方となります。

手術療法には

  • 定位脳手術による破壊術
  • 深部脳刺激療法(DBS)
  • 脳内細胞移植

などがあります。

パーキンソン病 脳深部刺激療法(DBS)について

2017.11.15

 

パーキンソン病のリハビリ

パーキンソン病のリハビリ

日本神経学会によるパーキンソン病の治療ガイドラインにおいても、薬物療法と運動療法の併用が強く勧められています。

パーキンソン病理学療法診療ガイドライン

エビデンスに基づいたガイドラインが推奨している項目として

  1. 理学療法全般
  2. 筋力増強運動
  3. バランス運動
  4. 全身運動
  5. トレッドミル歩行
  6. ホームプログラム・在宅運動療法
  7. 感覚刺激(sensory cueing)
  8. 太極拳・ダンス

一般的な理学療法と比較し、特徴的なものと言えば感覚刺激(sensory cueing)、太極拳・ダンスでしょう。パーキンソン病はリズム障害があるのでダンスなどは良さそうですし、楽しく行えると快楽物質であるドーパミンが放出されるのでとても良いと思います。その他をみても、とにかく運動することが重要のようです。

Hoehn&Yahrの重症度別のリハビリ

パーキンソンの病のリハビリテーションは上記のHoehn&Yahrの重症度分類の重症度に別に治療目標と介入方法が異なります。

Hoehn&Yahrの重症度Ⅰ~Ⅱのリハビリ

治療目標として

  • 活動低下の予防
  • 運動や転倒への不安予防
  • 身体能力維持、改善

介入項目としては

  • 前向き生活の推進(精神面のフォローも含め)
  • バランス・筋力・可動域・耐久性向上訓練
  • 運動習慣の確立

などが挙げられます。

この時期は、社会参加も可能で積極的に活動し運動習慣をつけることが望ましいです。この時期に運動習慣がなく、リハビリテーションでの自己管理の必要性を理解できていないと、廃用によりパーキンソン病の症状の進行に拍車がかかってしまいます。

Hoehn&Yahrの重症度Ⅲ~Ⅳのリハビリ

治療目標として

  • 活動性の維持
  • 精神面の安定
  • 転倒予防
  • 姿勢・バランス・歩行能力・手の機能の維持・改善

介入項目

  • バランス・筋力・可動域・耐久性向上訓練
  • 一般的運動・体操
  • 外部刺激(視覚・聴覚刺激)を利用した訓練
  • 二重課題に対する訓練・対策の指導

この時期はon-off症状により動きにくい時間帯が現れたり、転倒することが多い時期です。歩行ではすくみ足や小刻み歩行が現れ、外的刺激が必要なことがでてきます。認知面の低下や病気の進行や薬の副作用による精神面の不安定さも出てきます。ご家族様も含め精神的なフォローが必要となってきます。

Hoehn&Yahrの重症度Ⅴのリハビリ

治療目標として

  • 身体機能の維持
  • 褥瘡予防
  • 関節拘縮の予防

介入項目として

  • バランス・筋力・可動域向上訓練
  • ベッドや車いすの調整・ポジショニング
  • 家族への介助指導、褥瘡・拘縮予防の指導

この時期は、日常生活のほとんどに介助が必要となってきます。関節拘縮により真っすぐ仰向けになれない方も多くおり、特に仙骨部などは圧が集中し褥瘡になりやすくなります。股関節の開排制限もありオムツ交換も介助が大変になります。ご家族様も介助量が多く家での介護が大変になってくる時期でもあるため、リハスタッフとしては患者さんへのアプローチに加え、家族へのポジショニングやストレッチ、体位変換、移乗方法の指導などを行っていく必要があります。

すくみ足に対するリハビリ

すくみ足は薬物治療の効果が薄いといわれています。リハビリでの対処方法や歩行訓練の方法をお伝えします。

対処方法

  • 床の目印の利用:テープなどを貼り、目印を越えるように歩く練習をする
  • 横歩き:横歩きは可能なことが多いので、一旦横歩きをしてから前方へ歩く
  • 後方へのステップ:下げることは可能なので、片方を一歩引いてから前方へ歩く
  • 視線を逸らす:目的の場所を見るのではなく、遠くのものを見るように視線を逸らします
  • 動作手順の復唱:具体的な手順を決め、復唱しながら動作を行う
  • 方向転換:方向転換は急に方向を変えずに、孤を描くように行う
  • ベッド周囲のアプローチ:正面から近づかずに横から孤を描くように近づく
最近ではT字杖から横に:レーザーが出て線が引かれるものもあるそうです 

歩行練習

すくみ足が出現している場合転倒のリスクがあります。必ず誰かの付き添いのもと行いましょう。

歩行練習のポイントは

  • 外的刺激を用いる
  • 薬の効いている時間(オン現象)に実施する

内容としては

  • スラローム歩行:コーンなど目印となるものを一定期間置いて練習する
  • 階段昇降練習:逆説現象で平地より容易な場合が多いが、転倒には注意が必要
  • 外的刺激(視覚・聴覚)を利用しての歩行練習:床に線を引いたり、メトロノームでリズムをつくったりして行う
  • 狭いところの歩行:ベッドやイスで通路をつくり、その間を歩行する。最終的には横歩き通り抜けられるくらい狭くする

などが挙げられます。

私のTwitterのアイコンを書いてくれたチホさんのリンクを添付しておきます。オススメですのでイラストに興味ある方は是非!!

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参考書籍

 

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